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エコノミークラス症候群・肺塞栓症・深部静脈血栓症にならないために

・どんな病気?

深部静脈血栓症とは脚の血管に血栓と言われる血の塊ができてしまうことです。その血栓が血液の流れで飛んでいき肺の血管で詰まることを肺血栓塞栓症と言います。

血栓症ドットネットより画像引用

・症状は?

深部静脈血栓症は脚のむくみ、脚の痛み、脚の色が赤黒くおかしくなったりします。

肺血栓塞栓症は息苦しさ、胸の痛み、冷や汗、動悸などです。

 

・原因は?

①血の流れが悪くなる

寝たきり、肥満、長時間座りっぱなし、脱水など。エコノミークラス症候群とも言われますよね。ビジネスクラスでも座りっぱなしなら同じですよ。

②血が固まりやすい

がん、免疫バランス異常の病気である膠原病、妊娠中、ピルなどの女性ホルモン剤、ステロイドなど

③血管の壁の傷や炎症

手術、外傷など

・検査は?

血管エコーと造影剤を使ったCTで診断できることが多いですが難しい時もあります。心エコーや肺シンチグラフィを組み合わせたりすることもあります。

肺塞栓症は急を要する病気なので、とりあえず否定したい時にはDダイマーという血液検査で判断します。これが正常値であれば肺塞栓症は否定できます。ただし高いからと言って肺塞栓症とは限らないので注意が必要です。

・診断は?

PESIスコアと呼ばれる肺塞栓症重症度スコアを用いて診断します。基礎疾患や全身状態などで総合的に判断します。ショック状態であれば高リスクです。高リスク、中リスク、低リスクで治療がかわります。

・肺塞栓症の治療は?

基本は抗凝固薬と言われる血液サラサラの薬を使います。昔はビタミンKをブロックするワーファリンのみでしたが最近はDOACドアックと呼ばれる直接トロンビンなどの血が固まる成分をブロックする薬が出てきています。ワーファリンは頻回に血液検査をしたり、食べ物や薬の飲みあわせにとても注意が必要でしたが、DOACドアックはそれが減ったのでだいぶ楽になりました。

高リスクの場合はクリアクターなどの血栓溶解薬と言われる強力な血液サラサラの薬を使います。副作用でいろんなところから出血してしまうことがあるため原則は高リスクの人にしか使いません。

逆に十分に血液サラサラの薬が使えない場合には血栓が肺に飛ばないようにするフィルターを血管に埋め込んだりすることもあります。

・深部静脈血栓症の治療は?

こちらも基本は血液サラサラの薬になりますが、肺塞栓症とは違って全例に治療が必要なわけではないです。

比較的細い血管のみに血栓がある場合は血液サラサラの薬を飲んでも治療効果よりも副作用が増えてしまったという報告もあります。逆にがんの患者さんには投与した方が血栓症予防に有効だったという報告もあります。エコーなどで定期的に経過観察を行い、症状や持病と相談しながら薬の必要性を検討します。まずは弾性ストッキングと呼ばれる締め付けるストッキングを履いたり、脚の運動で予防しましょう。

若くてもピルやステロイドを飲んでいる人、骨折などで足を固定していて動かせない人はこの病気になる可能性があります。Dダイマーの血液検査や血管エコーは当院でもできますので、むくみが気になる場合などは気軽に相談して下さい。よろしくお願いします。

 

愛知県名古屋市中村区本陣通2-19

内科・内視鏡内科・糖尿病内科・整形外科

ヴェルヴァーレ本陣クリニック

院長 荻野仁志