新型コロナワクチン、コミナティとはどんなワクチン?
- 2021年5月5日
新型コロナウイルスのワクチン「コミナティ」について解説します。2021年2月14日に日本で初めて承認申請されたファイザー・ビオンテック社の新型コロナウイルスに対するワクチンです。
コミナティとはどんなワクチン?
コミナティはmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンという新しいタイプのワクチンです。mRNAとは簡単に言うとタンパク質の設計図です。従来のワクチンはウイルスそのものでしたが、mRNAワクチンは設計図を体に取り入れて、後は自分の体で設計図に従ってタンパクを作ります。製品そのものを送るのではなくデータだけを送って現場で3Dプリンターで製品をつくる感じですかね。
脂質膜に包まれたmRNAが細胞内に取り込まれると、mRNAを設計図として、ウイルスタンパク質の一部が作られます。細胞表面に提示された抗原に対して、体内で免疫応答を起こします。
mRNAは数日以内に自然に分解され、ヒトのDNAに組み込まれることはありません。
Sanofi HPより引用
このワクチンの有効性は非常に高く、発症予防効果が約95%とされています。デメリットとしては分解されやすいため、低温での保存・運搬が必要です。
-80℃の超冷凍で6ヶ月の保存、-20℃の冷凍で最長14日間の保存が可能であるとされています。
接種施設において、4℃冷蔵庫で解凍した後は、5日以内に使われる必要があります。希釈して分注された後は、室温で6時間以内に接種する必要があリます。
時間にシビアなのが欠点ですね。
1バイアルで何人分が打てるの?
ワクチン原液1バイアルを溶かすと0.45mlになります。生理食塩水1.8mlを加えて希釈を行うことで、合計2.25mlとなります。専用の注射器を用いて0.3mlずつ吸うと1バイアルあたり6名分のワクチンが吸うことができます。ただ元から針と注射器本体が一体化している、糖尿病の人に使うインスリン注射用の注射器を使えば、更に無駄なく吸うことができます。1バイアルから7名分接種可能であると報告されており、政府及びファイザー社もこの接種方法を容認する動きとなっています。貴重なワクチンですからね。
ワクチンは無料?
新型コロナワクチンは公費対象となるため、希望者は無料で接種可能です。
何回打てばいいの?
3週間の間隔で2回接種が必要です。2回目接種後7日目以降、血清中和抗体価の顕著な上昇が認められています。24日以上空いてしまった場合の有効性については十分に確立していない、とされています。
ワクチンは何歳以上が対象?
ファイザー社のコミナティは、16歳以上の方が対象です。妊婦または妊娠している可能性がある方、授乳されている方については、有益性が、危険性を上回ると判断される場合は接種されます。これは、使用経験が少ないためです。しかし理論的に妊婦に悪影響を起こすことは考えにくく、実際に胎児への悪影響の報告はありません。逆に母子ともに抗体を持つと報告されています。
既にコロナに罹患したことがある方も接種することができます。接種前後にPCR検査、抗原検査、抗体検査は必要ありません。