レタトルチド
レタトルチド
Medical
レタトルチド(英名:Retatrutide)は、トリプルホルモン受容体作動薬と呼ばれる新しいクラスの治療薬です。具体的には以下の3つのホルモン受容体を同時に刺激します。
・GIP受容体
・GLP-1受容体
・グルカゴン受容体(GCG受容体)
近年、GLP-1受容体作動薬を中心とした糖尿病・肥満治療薬が登場し、劇的な体重減少効果が報告されています。その流れをさらに進化させたのが、この「トリプルホルモン受容体作動薬」であるレタトルチドです。
2023年6月26日付のニューイングランドジャーナル オブ メディシン(NEJM)にて、レタトルチドの肥満治療に関する第2相臨床試験(フェーズ2)の結果が発表されました。主なポイントは次のとおりです。
対象・デザイン
主な結果
安全性・副作用
この結果から、レタトルチドは肥満治療薬として非常に高い体重減少効果を持つ可能性が示唆されています。
レタトルチドは、以下の3つの経路を同時に刺激することで、食欲抑制とエネルギー消費の増加の両方を促すと考えられています。
GIP受容体作動
GLP-1受容体作動
グルカゴン受容体作動
これらの総合的な作用により、より大きな体重減少が得られる可能性が示されています。
フェーズ2試験では、以下のような副作用や注意点が示されています。
主な副作用
その他
今後のフェーズ3試験や市販後調査で、さらなる安全性評価が続く予定です。
当院では、最新の医学知見にもとづく肥満治療を積極的に取り入れています。レタトルチドはまだ承認前・発売前の段階ですが、今後国内での承認がおり次第、以下のようなオンライン診療体制を整備する予定です。
ビデオ通話・チャットシステムでの診察
薬の配送
生活習慣アドバイス・管理栄養サポート
最新の治療法を、一人ひとりの患者様に合わせてご提供する準備を進めております。
未定
Jastreboff AM, Kaplan LM, Frías JP, et al. Triple–Hormone-Receptor Agonist Retatrutide for Obesity — A Phase 2 Trial. N Engl J Med. 2023;389:514-526. DOI: 10.1056/NEJMoa2301972