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レタトルチド

レタトルチド|「ヴェルヴァーレ本陣クリニック」名古屋市中村区本陣通にある内科

レタトルチド

Medical

レタトルチド(Retatrutide)とは

レタトルチド(英名:Retatrutide)は、トリプルホルモン受容体作動薬と呼ばれる新しいクラスの治療薬です。具体的には以下の3つのホルモン受容体を同時に刺激します。

 

・GIP受容体
・GLP-1受容体
・グルカゴン受容体(GCG受容体)


近年、GLP-1受容体作動薬を中心とした糖尿病・肥満治療薬が登場し、劇的な体重減少効果が報告されています。その流れをさらに進化させたのが、この「トリプルホルモン受容体作動薬」であるレタトルチドです。

NEJM掲載のフェーズ2試験結果のポイント

 

2023年6月26日付のニューイングランドジャーナル オブ メディシン(NEJM)にて、レタトルチドの肥満治療に関する第2相臨床試験(フェーズ2)の結果が発表されました。主なポイントは次のとおりです。

 

    1. 対象・デザイン

      • BMI 30以上(またはBMI 27以上かつ肥満関連合併症有)の成人を対象
      • ランダム化二重盲検プラセボ対照試験
      • 週1回の皮下注射で48週間投与

 

    1. 主な結果

      • 24週時点で最大17.5%、48週時点で最大24.2%の体重減少を示した(投与量により異なる)
      • 特に12mg投与群では、48週間で平均24.2%もの減量が報告されている
      • 体重減少率が継続的に増加傾向にあり、48週終了時点でも減少が止まっていない

 

  1. 安全性・副作用

    • 最も多い副作用は軽度~中等度の消化器症状(悪心、下痢、嘔吐、便秘など)
    • 用量依存的に副作用が多くなる傾向はあるが、初期用量を調整することで軽減が可能
    • 重篤な低血糖や重大な安全性懸念は報告されていない

 

この結果から、レタトルチドは肥満治療薬として非常に高い体重減少効果を持つ可能性が示唆されています。

レタトルチドが期待できる効果

 

 

レタトルチドは、以下の3つの経路を同時に刺激することで、食欲抑制エネルギー消費の増加の両方を促すと考えられています。

 

    1. GIP受容体作動

      • 膵臓のインスリン分泌をサポートし、血糖コントロールを改善
      • 食欲抑制や脂質代謝への関与も示唆

 

    1. GLP-1受容体作動

      • 脳の摂食中枢に働きかけ、食欲を抑制
      • 胃排出を遅らせ、満腹感を持続させる

 

  1. グルカゴン受容体作動

    • 従来「血糖を上げるホルモン」として知られるグルカゴンだが、エネルギー消費を高める働きもある
    • 適度なグルカゴン受容体刺激により、脂肪燃焼や代謝亢進が期待

 

これらの総合的な作用により、より大きな体重減少が得られる可能性が示されています。

副作用・安全性プロファイル

フェーズ2試験では、以下のような副作用や注意点が示されています。

 

    • 主な副作用

      • 悪心、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状
      • 用量が高いほど頻度が高まる傾向がある
      • 徐々に用量を上げることで症状を軽減

 

  • その他

    • 一部の患者で心拍数の上昇が一時的にみられるが、長期的なリスクはさらなる検証が必要
    • 低血糖(重度)や甲状腺髄様癌などの大きな安全性上の問題は報告されていない

 

今後のフェーズ3試験や市販後調査で、さらなる安全性評価が続く予定です。

当院でのオンライン診療について

当院では、最新の医学知見にもとづく肥満治療を積極的に取り入れています。レタトルチドはまだ承認前・発売前の段階ですが、今後国内での承認がおり次第、以下のようなオンライン診療体制を整備する予定です。

 

    1. ビデオ通話・チャットシステムでの診察

      • 初診・再診ともにオンライン対応が可能
      • 医師への相談から治療計画の立案まで、すべてご自宅から行えます

 

    1. 薬の配送

      • 医薬品が承認され次第、薬のご自宅へ配送が可能
      • 来院の負担を最小限に抑えた形で治療を受けられます

 

  1. 生活習慣アドバイス・管理栄養サポート

    • 食事や運動習慣のコンサルティングもオンラインで受けられる
    • フォローアップ体制も充実

 

最新の治療法を、一人ひとりの患者様に合わせてご提供する準備を進めております。

価格

未定

予約

よくあるご質問(FAQ)

レタトルチドはいつ日本で使用可能になりますか??

2023年現在、国内外で承認申請や治験が進行中です。正式な発売日は未定ですが、海外の大規模試験結果や承認状況次第で日本でも使用可能になる見込みです。

GLP-1受容体作動薬との違いは何ですか?

GLP-1受容体作動薬は主にGLP-1のみを作用標的としますが、レタトルチドはGIP・GLP-1・グルカゴンの3つの経路に同時に作用します。従来薬よりもさらに高い体重減少効果が期待されています。

オンライン診療でレタトルチドは処方してもらえますか?

オンライン診療で処方可能です。

副作用が心配です。どのように対応すればよいでしょうか?

悪心や下痢などの消化器症状が現れる場合がありますが、多くは軽度~中等度です。用量調整や生活習慣の改善で対処できるケースがほとんどです。症状が強い場合は速やかに医療機関へご相談ください。

マンジャロ(Mounjaro)との違いは?

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、GIP受容体とGLP-1受容体の2つを同時に刺激する「デュアルホルモン受容体作動薬」です。一方、レタトルチド(Retatrutide)は、GIP・GLP-1・グルカゴン(GCG)の3つを同時に刺激する「トリプルホルモン受容体作動薬」として開発されています。グルカゴン受容体が追加で刺激される分、脂肪燃焼や代謝亢進の効果が上乗せされる可能性があると考えられます。

マンジャロとどっちがやせる?

レタトルチド(Retatrutide)の試験データは48週間投与で最高用量12mg投与群で体重が平均24.2%減少。マンジャロ(Mounjaro / チルゼパチド)の試験データは72週間投与で15mg投与群で平均22.5%前後の体重減少が報告。これらの数字だけを見ると、レタトルチドは48週時点で約24%減量しており、マンジャロは72週時点で約22~23%の減量と、レタトルチドの方が大きい減量率が示されているように見えます。

保険適応の条件は?

他のインクレチン製剤同様に糖尿病と診断されることが条件です。

送料は?

クロネコヤマトのクール宅急便で送ります。送料実費をクロネコ配達員の方に直接お支払いください。

薬を使えば努力なしに勝手に痩せますか?

食欲を減らし食事摂取量が減るため痩せますが、そのままでは薬をやめたのちにリバウンドしてしまいます。運動とプロテイン摂取にて筋肉を維持し代謝を維持するように心がけてください。

副作用は?

効果の裏返しで胃もたれはしばしばありますが、その他の副作用は極めてまれです。

初めてですが自分で注射できますか?

使い捨てのキットなのでとても簡単です。

針が怖いのですが?

針は見えないようになっているので大丈夫です。

注射ですが痛いですか?

個人差はありますが、痛みは少ないです。私自身はほとんど痛みを感じません。

注入ができず不良品と思われます。どうすれば?

不良品と思われる場合はお手数ですが着払いでそのキットのみ送ってください。メーカーに提出し不良品と認められれば交換とさせていただきます。

妊娠中も使用できますか?

妊娠中は使用不可です。

授乳中は使用できますか?

授乳中は使用不可です。

SGLT2阻害薬(尿から糖をだす薬)との併用は?

併用は基本的に問題ありません。むしろ相乗効果でより早く痩せます。

返品可能ですか?

冷所保存品のため返品はできません。

参考文献

Jastreboff AM, Kaplan LM, Frías JP, et al. Triple–Hormone-Receptor Agonist Retatrutide for Obesity — A Phase 2 Trial. N Engl J Med. 2023;389:514-526. DOI: 10.1056/NEJMoa2301972