近年、糖尿病による心筋梗塞や脳梗塞は治療の進歩もあり、減少傾向です。
しかし、糖尿病患者さんのがんによる死亡は増えています。糖尿病患者さんのがんは、肺がん、肝臓がん、膵臓がん、大腸がんが多いとされています。糖尿病の方はがん検診は必須です。早期発見早期治療に努めましょう。
検査診断
血液検査で血糖値やHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー。過去1~2ヶ月の平均的な血液中のブドウ糖の量)の値を調べます。検査は2度行い、以下の4つの所見のいずれかが両日で確認されると糖尿病と診断されます。
- 早朝空腹時の血糖値が126mg/dL以上
- 75グラム経口ブドウ糖負荷試験(75グラムのブドウ糖を溶かした水を飲んだ後に血糖値を測る検査)で2時間後の血糖値が200mg/dL以上
- 時間に関係なく測定した血糖値(随時血糖値)が200mg/dL以上
- HbA1cの値が6.5%以上
なお、1度の検査で1~3のうち少なくとも1つと4が同時に確認された場合、その段階で糖尿病と診断されます。
尿検査で腎臓チェック
尿タンパクが出ていたら、糖尿病が原因で腎臓の機能が悪くなってきている可能性があります。そのまま進行すると、透析になる可能性もあります。尿タンパクが出る前に、『微量アルブミン』という物質が検出されることもあります。これは、尿タンパクが出てくる前触れです。微量アルブミンが出始めたら、腎臓の機能障害が徐々に始まっていると考えます。
糖尿病になったら眼科を受診
糖尿病になると、目の病気の『網膜症』になりやすいです。網膜症が進行すると、目の中で出血して失明することがあります。そうならないためにも適切な血糖コントロールとレーザー治療などが必要です。