その熱はインフルエンザかも。悪化させないために早めの検査治療を。
- 2020年12月21日
- 感染症
・インフルエンザとはどんな病気?
インフルエンザウイルスによる感染症です。まぎらわしいですがインフルエンザ桿菌というバイ菌もいます。ウイルスとバイ菌は治療法も全く異なります。一言にインフルエンザウイルスと言ってもいろんな種類があります。有名なのはA型B型ですが他の分け方もあります。我が国では冬に流行しますが南半球では7〜9月に流行します。多くは風邪症状だけで自然と軽快しますが稀に肺炎を起こしたり、同時に他の細菌性肺炎を合併することもあります。また脳炎を起こすこともありその場合はおかしなことを言ったり痙攣を起こすこともあります。
・症状では風邪と区別が難しい
典型的な症状は発熱・筋肉痛・喉の痛み・咳・倦怠感ですが、個人差もありますし、高齢者ではほとんど症状ない場合もあり油断はできません。また似たような症状では喉に溶連菌というバイ菌が感染する扁桃炎があります。扁桃炎の場合は抗生剤が必要になるのでインフルエンザや風邪と区別が必要となります。
・検査は100%ではありません。
診断は鼻から綿棒を入れて粘液を取ってきて調べます。「+」と出ればまず間違いなくインフルエンザですが「–」だからといってインフルエンザではないとは言えません。症状から怪しいと判断されれば治療が必要です。
・ワクチンの効果約40%
インフルエンザワクチン予防接種による発病予防効果は約40%と言われております。低いと思われるかも知れませんが周りにうつさないためにも多くの人に受けてもらうことが大切です。
・治療薬は5種類
治療薬にはタミフル・リレンザ・イナビル・ラピアクタがあり2018年からゾフルーザが使えるようになりました。飲み薬はタミフルとゾフルーザ、吸入薬はイナビルとリレンザ、点滴薬はラピアクタとなっております。効き目は大体同じと言われていますが肺炎合併の場合はタミフルとラピアクタが使われております。
・子供は耐性ウイルスに要注意
大人は薬に耐性のあるウイルスでも問題なく治ることが報告されていますが、子供の場合は注意が必要です。子供のインフルエンザによる死亡例ではタミフルに耐性のあるウイルスが見つかった例もあります。また死亡しないまでも治りが悪かった報告もあります。また新薬のゾフルーザはインフルエンザB型にも高い効果があるのが特徴ですが、こちらも幼児では耐性ウイルスが見つかっております。子供には今のところイナビルがおすすめですね。ネブライザー吸入薬も発売されているので上手に吸えない子供でも大丈夫です。
愛知県名古屋市中村区本陣通2-19
内科・内視鏡内科・糖尿病内科・整形外科
ヴェルヴァーレ本陣クリニック
院長 荻野仁志