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ブログ|「ヴェルヴァーレ本陣クリニック」名古屋市中村区本陣通にある内科

胆石持ちの方はかかりつけ医を持ちましょう。いざというときにスムーズに治療が受けられます。

・どんな病気?

胆汁成分から作られた石があることを胆石症と言います。そしてできた場所によって呼び方が変わります。

胆嚢の中胆嚢結石 約8

胆管の中胆管結石 約2

日本人の15%程度は胆石を持っています。

・石の成分

胆石はほとんどがコレステロール結石で黄色です。いわゆるウンコ色ですね。たまに黒いビリルビン結石というのもあります。

・原因は?

①高脂肪食

肝臓で作られるコレステロールは胆汁に溶けて排出されます。食べ物の欧米化で脂質が多いとコレステロール排出が増えて胆汁が粘っこくなり胆石ができやすくなります。

②胆汁停滞

胆汁の流れが悪くなると石ができやすくなります。胃ろうを含めた消化管の手術や胆管の出口が狭くなるレンメル症候群などがありますね。

・症状は?

胆石があるだけでは症状はないです。狭いところにはまり込むと疝痛発作と言われる激しい痛みが生じます。その結果、胆汁の流れが悪くなると胆嚢炎や胆管炎をおこします。

・検査は?

血液検査では感染による白血球数やCRPの異常があるか、胆汁うっ滞による肝胆道系酵素の異常があるか、膵炎によるアミラーゼの異常があるかをチェックします。

CT、エコー、MRIにて胆嚢炎の有無や胆石の有無をチェックします。

・胆石の治療は?

原則として胆石症はまず症状がない場合は治療しません。コレステロール結石の場合ウルソを飲んで小さくする治療を受けてもらうぐらいです。

例外は胆嚢の壁が分厚い場合です。これはがんの疑いが出てくるため症状がなくても外科手術で治療します。

・胆嚢炎の治療は?

胆嚢炎の場合は原則外科手術です。以前は抗生剤で様子を見たり胆嚢に針を刺して膿を出してから手術というパターンもありましたが原則手術ファーストになりました。胆石持ちの方はいざというときのためにかかりつけ医を持っておくと手術治療がスムーズかもしれませんね。

・胆管結石の治療は?

胆管結石がある場合はまず特殊なカメラで胆管結石を治療して、それから予防の意味で胆嚢をとる手術をするのがスタンダードです。ただこれは内視鏡治療がどこでも受けられる日本だけの話で、海外だといきなり外科手術がスタンダードです。

・胆嚢摘出術

日本でも高齢者の場合は手術をしないこともあります。私も自分なら胆嚢はとってほしくないですね。胆嚢炎があればしょうがないですけど、ないのならできればそのままにしてほしいです。胆嚢を取ると腸内細菌叢バランスが崩れてしまうリスクになるからですね。

・まとめ

私も内視鏡医として胆管胆石の治療を頑張ってきました。クリニックでもしたいぐらいなのですが特殊なカメラと専用のレントゲン透視台が必要です。残念ながら出来ないので治療が必要な方は総合病院へ紹介させていただきます。かかりつけ医を持っておくといざというときの総合病院との連携がスムーズです。ぜひ一緒に治療していきましょう。よろしくお願いします。

 

愛知県名古屋市中村区本陣通2-19

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ヴェルヴァーレ本陣クリニック

院長 荻野仁志