BCGうっていても結核にはかかります。怪しい症状があれば早めに検査してきちんと直しましょう。
- 2020年12月25日
- 呼吸器疾患
・どんな病気?
結核菌が肺に感染しておこる病気です。現在の日本でも毎年1万5000人ほどの人がかかっています。免疫力の低下した高齢者が多いですが健康な若い人でもかかりますので注意が必要です。昔は不治の病として恐れられていました。新撰組の沖田総司なんか有名ですよね。医療業界の隠語では結核とは言わずにTBと書いて「テーベー」と呼んでます。治らなかった時代の名残です。
・症状は?
2週間以上続く咳、食欲低下、元気がない、体重が減ってきたなどがあれば要注意ですね。ドラマでは血を吐きますがそれは本当に末期ですね。
・検査方法は?
基本は痰の検査になります。精度を上げるために3日間毎日痰を検査に出してもらいます。痰の顕微鏡検査で菌が認められて、培養やPCRで結核菌と分かれば診断されます。補助的にはCTの検査をしたり、血液検査をしたりします。昔はツベルクリン反応で検査をしていましたがBCGワクチンに反応してしまう点が欠点でした。今はクオンティフェロンTBゴールドプラスというカッコいいクレジットカードみたいな名前の検査が主流です。BCGワクチンには反応せず高い精度を誇ります。欠点は今活動している結核なのか治ってしまった結核なのかが分からないことですね。
・結核になると強制入院!?
痰の中に結核菌が多くいて周りにばら撒いている状態では入院を勧告されます。感染症法という法律に基づいています。そのかわり入院費用は税金から払われます。2〜3週間で退院できることが多いです。痰の中に菌がほとんどいない場合は外来通院治療が可能です。その場合も支払いが総額の5%程度にまで安くなります。
・治療法は?
抗生剤の内服です。基本は4種類の抗生剤を2ヶ月間→2種類の抗生剤を4ヶ月間の合計6ヶ月間の治療になります。肝障害の程度や耐性菌の関係で治療薬が変わったり治療期間がのびたりすることがあります。
・クラビットにはご注意を 膀胱炎でも風邪でも出されやすいクラビットですがこれが要注意です。結核に中途半端に効いてしまうのですが治りませんので、診断が遅れたり、耐性菌が増えてしまう原因になってしまうことがあります。何でもかんでもクラビット出す医者には気をつけてくださいね。・勝手に治った!?
結核はかかっても1割ぐらいの人しか発症しません。残りの9割の人は免疫で抑え込まれている状態です。菌は生き残っていますので完全に治ったわけではないので要注意です。ステロイドや免疫抑制剤、リウマチなどで使われる炎症を抑える生物学的製剤などをきっかけに結核が悪さをすることがあります。なのでそういう薬を使う前に、結核の薬を飲むこともあります。
結核はきちんと検査治療すれば治る病気です。症状が大したことなくても怪しければきちんと検査しましょう。当院はCT完備していますのでわずかな影も見逃しません。即日検査可能です。
愛知県名古屋市中村区本陣通2-19
内科・内視鏡内科・糖尿病内科・整形外科
ヴェルヴァーレ本陣クリニック
院長 荻野仁志