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命に関わる病気である感染性心内膜炎を予防するために必要なこと

・どんな病気?

感染性心内膜炎とは血液の中に入ってきたバイ菌が心臓の中に巣を作ってしまう病気です。心臓の部屋を分ける弁に作ることが多いです。弁を壊してしまい心臓の機能をダメにしてしまったり、塊が飛んでいって脳梗塞を引き起こしたりします。死亡率30%40%もある怖い病気です。

メディカルノートより画像引用

・症状は?

メインは発熱です。診断が難しい場合には原因不明の発熱とされることもあります。高齢の場合は熱が出ずにしんどいだけのこともあり注意が必要です。

菌が弁を壊してしまえば息切れや呼吸苦などの心不全症状が出ます。

菌が飛んでいって指先や爪に小さな出血が見られることがあります。

大きな菌の塊が飛んでいって脳梗塞をおこしたり、逆に血管の壁が薄くなりコブができそれが破れることによる脳出血がおきたりもします。

・原因は?

①バイ菌が血液の中にはいる

糖尿病のある方やステロイド・免疫抑制剤・抗がん剤などの薬を飲んでいるとバイ菌感染のリスクが高くなります。

抜歯・扁桃腺切除・消化管内視鏡治療・泌尿器科での処置・婦人科処置などが契機となってバイ菌が入り込むことがあるので注意が必要です。

②心臓のなかに巣を作る

心臓の中に傷があったり血液の流れがよどんでいると菌がくっついて巣を作りやすくなります。ですから心臓の弁の手術をしたことがある場合や生まれつき大きな心臓の異常がある場合は特にリスクが高いとされています。その他にも弁の異常がある場合、閉塞がある肥大型心筋症、ペースメーカーや除細動器がある場合もリスクがあると言われています。

・検査診断は?

Duke診断基準というものが使われています。

①血液を培養してバイ菌が出でくる

②エコーで明らかな異常が見つかる

この2つがあれば確定です。

ない場合は症状などで疑います。疑いがあれば更に食道から見るエコーやPET-CTなどを用いて総合的に判断します。

見逃すと怖い病気ですので疑わしきは徹底的に調べます。

・治療は?

①強力な抗生剤治療②必要に応じた緊急外科手術です。

①抗生剤治療

必ず抗生剤を投与する前に血液のバイ菌培養の検査を行います。原因菌が何かによって投与する抗生剤を変える必要があるからです。抗生剤を投与したのち23日で効いているかをまた血液のバイ菌培養検査で判断します。抗生剤が効いていてもやめると再び悪化することが多いため少なくとも1ヶ月以上は抗生剤治療を続ける必要があります。こういう時に抗生剤が効きにくい耐性菌が出てくるととても困ることになってしまいます。適切な抗生剤治療は大事です。

②外科手術

弁が壊されて心不全が起きている場合や脳梗塞などの血管が詰まる病気を合併している場合は外科手術が必要です。特にバイ菌の塊が10ミリを超えていると抗生剤治療だけでは厳しいため早急な外科手術が必要となります。また人工弁やペースメーカーや除細動器などの異物が埋め込まれている場合には抜去が必要となります。

・予防治療

感染性心内膜炎はなってしまうと大変な病気なのでリスクのある方は歯科治療の際には注意が必要です。心臓弁の手術をしている人や生まれつき心臓の病気がある人、除細動器やペースメーカーがある人は歯医者さんの処置を受ける時には抗生剤の予防的投与が推奨されています。だからといって全員が抗生剤を飲む必要はありませんよ。リスクの無い人は不要です。逆に耐性菌が増えてしまうと困ってしまいます。全員に抗生剤を出している歯医者さんはちょっと問題ありかもしれませんね。特にフロモックス(セフカペンピボキシル塩酸塩水和物)ばかり出している人は、、、。今日はこの辺で失礼します。

 

愛知県名古屋市中村区本陣通2-19

内科・内視鏡内科・糖尿病内科・整形外科

ヴェルヴァーレ本陣クリニック

院長 荻野仁志