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空咳と息切れが続くなら、間質性肺炎を否定するために早めのCT検査を受けましょう。

・どんな病気?

いわゆる一般的な肺炎というのはバイ菌やウイルス感染などが原因で肺胞という小さな空気の袋の中で炎症がおきる状態です。この状態のことを別名「実質性肺炎」といいます。「間質性肺炎」というのは逆に袋である肺胞の外でおきた炎症です。肺胞の間である「間質の肺炎」という意味ですね。炎症を繰り返すことにより繊維化と言われる組織が固くなってしまう状態になります。その結果、肺活量が減ったり、空気の通り道が狭くなって息がしにくくなったりします。

症状は?

なかなか治らない咳と息切れ、呼吸苦が有名ですね。痰は出ないことが多いです。悪化すると酸素不足で顔色が悪くなったり、爪がおかしくなったり、心臓に負担がかかるために最終的に心臓も悪くなって浮腫が出たりもします。

・原因は?

原因としては大きく3つに分かれます。

①特発性。これといった原因がなく突然起こるもの

②膠原病の合併症として起こるもの

③薬の副作用として起こるもの。

②の膠原病とは関節リウマチなどが有名ですが、いわゆる自分の免疫バランスが崩れて起こる病気のことです。③の薬剤性は漢方の一部や抗リウマチ薬リウマトレックス、不整脈の薬アミオダロンなんかが有名ですね。

・診断は?

診断はなかなか大変です。まずはCT画像検査が大前提です。これで大まかに間質性肺炎ではないかと当たりをつけます。その他に痰の検査、血液検査、身体所見、薬剤歴などから他の病気ではないことを確認したり、上記②膠原病合併症③薬剤性を除外したりします。その結果、①特発性間質性肺炎の可能性が高いと診断できます。

・タイプ分け

特発性間質性肺炎の中にも色々タイプがあり治療法が変わるためタイプ分けも重要です。しかしながら一筋縄ではいかないので呼吸器内科医・放射線科医・病理医の総合的な話し合いで決めます。CT画像検査で特徴的な所見かあるか、肺内視鏡検査から得られた組織や検体ではどうか、必要であれば外科医にお願いして肺の組織を取ってきての病理検査などを合わせて総合的に診断します。プライドの高いオレ様が多い医者業界においてこの話し合いでの診断方法というのはレアですよ。逆に言えばそれだけ診断が難しくかつ重要ということですね。

・治療法は?

①特発性間質性肺炎はもともと専用の治療薬がありませんでした。悪化すれば炎症を抑えるステロイドや免疫を抑える薬を使っていました。特発性間質性肺炎の中にもステロイドなどが効きやすいタイプもあれば効きにくいタイプもあります。なのでタイプ分け診断が非常に重要なのです。特に肺が硬くなってしまうタイプである肺繊維症タイプにはステロイドがあまり効きません。しかし2008年に専用の繊維化を抑える薬が発売され一定の効果が得られています。ですのできちんとタイプ分け診断をしてそのタイプにあった治療を行うことが大切です。②膠原病の合併症の間質性肺炎はまずは膠原病の治療が有効です。必要に応じてステロイド・免疫抑制剤で対応します。③薬剤性間質性肺炎は原因薬剤の中止で良くなることが多いです。こちらも必要に応じてステロイドや免疫抑制剤を使います。もちろん喫煙者は禁煙が必須です。

・ヴェルヴァーレ本陣クリニックでの対応

以上のように間質性肺炎は検査・診断・治療がなかなか難しい病気であります。当院ではCTでの早期発見が可能ですので、疑い症例があれば日赤や大学病院などに紹介させていただきます。また状態が落ち着いていれば連携しつつ治療にあたらせて頂きます。もちろん繊維化による肺機能低下にはメディカルフィットネスによる心肺機能向上が大切ですよ。当院はメディカルフィットネス併設です。今回はわりと真面目なオチでしたね。今後ともよろしくお願いします。

愛知県名古屋市中村区本陣通2-19

内科・内視鏡内科・糖尿病内科・整形外科

ヴェルヴァーレ本陣クリニック

院長 荻野仁志