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長く続く下痢(便秘)・腹痛は過敏性腸症候群かもしれません。SIBOと合わせて解説します。

・どんな病気?

過敏性腸症候群は検査しても明らかな異常がないのに腹痛・腹部不快感と便通異常が続く病気です。3ヶ月以上続くことが目安になっています。便通異常のタイプにより3つに分けられています。便秘型・下痢型・混合型です。

・診断は?

他に病気がないことを確認しての除外診断になります。特に発熱・関節痛・血便・体重減少などがある場合は他の病気を疑います。

・検査は?

基本は大腸カメラです。他の病気がないことを確認します。大腸がんやクローン病、潰瘍性大腸炎、乳糖不耐症、膠原病性腸炎などを除外します。

大腸がんはそのまんま大腸にできるがんですね。

クローン病や潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患と言われる自己免疫バランスが崩れておこる腸の病気です。

乳糖不耐症は乳糖が消化できずにお腹がゴロゴロなってしまう状態です。日本人は多いです。

膠原繊維性大腸炎は胃薬や痛み止めの副作用でおこることが多い病気で慢性的な下痢をおこします。

・治療法は?

まずは生活指導です。睡眠をしっかりとりましょう。夜更かしはやめて規則正しい生活をしましょう。アルコールや香辛料は控えて下さい。食物繊維は多めにとりましょう。つまり野菜ですね。あとは低FODMAP食が推奨されています。

・低FODMAP食とは

F : 発酵性

O : オリゴ糖  ガラクトオリゴ糖とフルクタン

D : 二糖類  ラクトース(乳糖)が代表

M : 単糖類  フルクトース(果糖)が代表

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P : ポリオール類  ソルビトールやキシリトール

これらの食べ物は消化されにくいので下痢をおこしやすくまた大腸でガスを発生して腹部症状を起こすと考えられています。これらを控えるのが低FODMAP食です。低FODMAP食にすることで腹部症状改善が期待されます。

江田証著 専門医が教える お腹が弱い人の胃腸トラブルより

・運動療法

運動療法は過敏性腸症候群にも効果が認められています。本当に運動は大事です!

・プロバイオティクス

ビフィズス菌は腸内の炎症物質を減らすことが認められています。ビオフェルミンも取り入れましょう。ヨーグルトは上記の高FODMAPに含まれるので要注意!

・高分子重合体

ポリフルやコロネルという薬ですね。これも便の形状を整えてくれます。

・主な薬物治療

症状によって使い分けます。下痢型の場合はイリボー、便秘型の場合はリンゼスですね。イリボーは男女で用量が異なるため注意が必要です。リンゼスは食後は下痢しやすいので食前に飲みましょう。その他下剤や下痢止めを併用する場合もあります。

・それでもダメな時は?

消化管をターゲットにした薬が効果不十分なときはうつ病の薬や不安を和らげる薬を検討します。抗うつ薬では三環系抗うつ薬とSSRIと呼ばれる薬は有効性が認められていますが、それぞれ便秘と悪心の副作用があるため注意が必要です。抗不安薬も有効性は示されていますが依存性があるためこちらも注意が必要です。

SIBO

過敏性腸症候群は長らくの間原因不明でしたがSIBO(小腸内細菌異常増殖症)と呼ばれる腸内細菌叢の異常が指摘されるようになりました。本来は細菌がほとんどいない小腸内にさまざまな原因により細菌が異常に増えてしまう病態です。それにより腹痛や下痢、便秘といった症状がおきてしまいます。鬱に過敏性腸症候群が合併しやすいのは、むしろ逆で、SIBOが原因で鬱や不安神経症になってしまっている可能性も指摘されています。今後さらに研究が進むことが期待されています。SIBOが疑われる場合、当院では食事指導と内服加療を提案させていただきます。

・まとめ

下痢(便秘)・腹痛でお困りの方多いと思います。たかが下痢(便秘)と言っても原因はさまざまです。当院ではしっかりと問診検査をしたうえで治療を提案させていただきます。他所で診てもらったけど良くならなかった方も気軽にご相談下さい。

また当院では体格や手術歴などに応じて使い分けるために2種類の大腸カメラを用意しております。送気は空気ではなく二酸化炭素ガスを使っていますのでお腹の張りも少ないです。痛みに敏感な方にはマイケルジャクソンも愛用しすぎた麻酔薬を適切に使って寝てもらうこともできます。よろしくお願いします。

 

愛知県名古屋市中村区本陣通2-19

内科・内視鏡内科・糖尿病内科・整形外科

ヴェルヴァーレ本陣クリニック

院長 荻野仁志