ブルガダ症候群での突然死を防ぐためにも心電図検査を受けましょう。
- 2021年1月9日
- 循環器疾患
・どんな病気?
ブルガダルガダ症候群は1992年にブルガダ兄弟が報告した病気です。特徴的な心電図所見を認めます。心室細動と呼ばれる致死的な不整脈をおこし突然死してしまう危険があります。
慶應義塾大学病院医療サイトより画像引用
・症状は?
心臓の構造や機能には異常がないので発作が起きない限り症状はありません。発作が起きてしまうと心停止、最悪突然死してしまいます。
・原因は?
心臓の内側と外側で電気信号に反応する時間のズレがあるためと考えられています。その原因ははっきりとはわかっていませんが、20%程度の人は心臓のナトリウムチャンネルの遺伝子異常があるそうです。男性に多いことから男性ホルモンの影響も指摘されています。
・検査は?
心電図が基本になります。一目でわかる場合は問題ないのですが、分かりにくい場合にはナトリウムチャンネルをブロックするサンリズムという薬を使って心電図変化が出るかを調べたりします。
・治療は?
ブルガダ症候群における発作は命にかかわりますので一度でも心停止の既往があれば除細動器埋め込みの絶対的適応となります。心停止になったことがなくても失神歴があったり突然死の家族歴があって、電気刺激検査で異常があれば埋め込みが推奨されます。
発作の回数を減らす薬としてはキニジン・べプリコール・プレタールなどが使われます。
・アブレーション治療
2011年、タイ人のNademanee医師達はブルガダ症候群の患者さんを心臓カテーテルアブレーション治療で治したという発表をしました。それからいろんな方法でのアブレーション治療が開発されています。アブレーション治療というのは異常な電気信号が出ている部分をカテーテルで焼くことによって、電気信号を正常にする治療です。今は心室細動を何回も起こす患者さんに相対的に推奨されているだけですが、近い将来アブレーション治療にてブルガダ症候群が完治するかもしれませんね。興味ある方には専門病院を紹介しますね。
愛知県名古屋市中村区本陣通2-19
内科・内視鏡内科・糖尿病内科・整形外科
ヴェルヴァーレ本陣クリニック
院長 荻野仁志