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ブログ|「ヴェルヴァーレ本陣クリニック」名古屋市中村区本陣通にある内科

内視鏡と抗血栓薬。それは消化器医VS循環器医の戦い!?中立の脳外科医。まるで三国志。

胃カメラや大腸カメラをする時に血液サラサラの薬をどうするかは長年の課題でした。それはまるで三国志のようです。なるべく血液サラサラを使いたくない消化器医VSなるべく血液サラサラを使いたい循環器医の戦いです。中立で脳外科医ですね。

消化器医=吐血や下血などの出血を治す

循環器医=心筋梗塞や肺塞栓など血栓を治す

脳外科医=脳梗塞と脳出血との狭間 中立

・抗血栓薬とは?

血が固まって詰まってしまう血栓を予防する薬です。いわゆる血液サラサラの薬です。大きく分けて2種類あります。

①抗血小板薬 

心筋梗塞や普通の脳梗塞など動脈硬化で血管が狭くなり詰まるのを抑える薬

②抗凝固薬

心房細動や下肢静脈血栓症など血流が速くないよどんだところにできる血栓を抑える薬

・究極の選択!?血栓か?出血か?

心筋梗塞や脳梗塞予防のために血液サラサラの薬を飲むわけですがリスクとしていろんなところの出血があります。それが今まで問題になってました。特に胃カメラや大腸カメラをする時です。生検で組織を取ると出血しますし、ポリープ取るともっと出血しますからね。そこでこの抗血栓薬内服者に対する消化器内視鏡診療ガイドラインの登場です。

・血栓ハイリスクの時期

特に血栓ができやすく要注意の時期があります。心臓カテーテル治療して2ヶ月間、首の血管治療して2ヶ月間、安静にしてても痛む足の閉塞性動脈硬化症がある場合などです。また抗凝固薬を飲んでいる人は基本ハイリスクです。こういう方は絶対に勝手に血液サラサラの薬をやめてはいけません!血栓ができると大変ですからね。

・ヘパリン置換は下火に

昔は飲み薬の抗血栓薬を中止してヘパリンという注射薬を入院中に投与しながら手術直前にやめたりしていましたが、出血は増えるものの血栓症は減らないという報告が多く、最近では行われなくなりましたね。

・結論は循環器医の勝ち?

最近のガイドラインでは内視鏡治療の目的にもよりますが、抗血小板薬は基本的に継続、抗凝固薬も継続か1日のみ休薬が主流になってきました。これは私も賛成です。出血して貧血になっても最悪輸血すれば大丈夫ですが、脳梗塞や心筋梗塞になったら元には戻りませんからね。ただしこれだけは言っておきます。抗凝固薬飲んでる時の消化管出血マジで止まりません!勘弁してください!

・さすがに3剤は、、、。

心房細動がある人が心筋梗塞になったりすると抗凝固薬をもともと飲んでいる上に、抗血小板薬2剤の合計3種類内服というパターンも見られます。血液サラサラLOVEの循環器医ですがさすがに3剤併用は問題になっています。出血リスクを検討してできれば6ヶ月で抗凝固薬1剤への切り替えが望まれています。3つも飲んでいたら本当に血が止まりませんからね。

・まとめ

当院で胃カメラや大腸カメラを行う際には基本的に薬は中止しません。たまに気を遣って勝手にやめてきてくださる方がいます。申し訳ありませんが万が一血栓症が起きると大変なのでそのまま継続でお願いします。ただし午前中の胃カメラの時に直前に薬を飲むと、薬で胃の表面がよく見えなくなってしまうので、そういう時は朝の薬はなしで検査後の昼食後に内服してください。何か疑問があれば私かスタッフに気軽に聞いてくださいね。よろしくお願いします。次からは肝臓なのでマイケルジャクソンネタは無しです。寂しいです。

 

愛知県名古屋市中村区本陣通2-19

内科・内視鏡内科・糖尿病内科・整形外科

ヴェルヴァーレ本陣クリニック

院長 荻野仁志