女性薄毛FAGAの薬の種類(スピロノラクトン、ミノキシジル)と効果と副作用
- 2021年6月5日
薄毛に悩み治療を検討している女性の方へ治療薬はどのような効果があり副作用はあるのかどうかなどを詳しくご紹介します。
まず、薄毛に悩む女性はどのくらいいるのかについてお話していきます。薄毛に悩む女性の割合は約10%程度とされています。ちなみに男性は約30%程度がAGAなど薄毛に関する疾患に発症するとされており、割合的に見ても女性が発症する頻度も意外と多いということがわかります。
また、なぜ薄毛に悩みだしたかという質問に対して全体の約20~30%の方が自分で鏡を見て髪の毛が薄くなっていると感じた一方で、約30%以上が家族や友人から指摘されて薄毛に気づいたと回答しています。他人の指摘によって治療を決意したという方もおり、薄毛の悩みは男性だけでなく女性にとっても深刻であるということが分かります。
・治療薬
女性が薄毛の治療のためにクリニックを受診されると、治療薬としてスピロノラクトンとミノキシジルが処方されます。
・スピロノラクトン
スピロノラクトンとは、アルドステロン拮抗薬であり、もともとは尿量を増加させ、体の過剰な水分などを排出することで、むくみや高血圧の改善に効果があるお薬です。なぜ利尿剤が女性の薄毛に対して処方されるかというと、スピロノラクトンの副作用に理由があります。スピロノラクトンには抗男性ホルモンという副作用があります。男性ホルモンが抑制されることによって女性のような乳房となる女性化乳房や性欲減退といった、副作用が起こります。女性も微量ではありますが男性ホルモンが分泌されているため、閉経など女性ホルモンの低下によって男性ホルモン濃度が相対的に濃くなることでヘアサイクルが乱れて抜け毛が起きます。その結果として薄毛になるということが考えられています。スピロノラクトンを内服することで男性ホルモンが抑えられ相対的に女性ホルモンが優位となり、ヘアサイクルが正常化され、抜け毛の予防が期待できるとしています。
・ミノキシジル
ミノキシジルは発毛や育毛効果が期待できる塗り薬です。数ある発毛や育毛の効果のある治療薬の中でも唯一女性の脱毛症の治療薬として利用することが可能です。もともと高血圧症治療の内服薬の成分としてアメリカで使用されていました。ですが、この薬で高血圧の治療をしていた患者から、AGAが改善されたという話を聞き、脱毛や薄毛の治療薬として応用されたのが始まりです。毛包に直接作用し、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進することによって発毛を促すということが分かっています。ミノキシジルは使用を開始してから約4ヶ月ほどで効果を実感できるといわれています。
ミノキシジルは外用薬と内服薬があります。内服薬においてはめまいや動悸、胸の痛みなどの副作用が報告されておりますので基本的には使用しません。外用薬では、めまいなどの副作用は起こりにくいと考えられています。また女性用は男性用よりもミノキシジルの濃度が抑えられております。
当院では先ほどもご紹介したスピロノラクトンを予防として、ミノキシジルを発毛の治療薬として処方しています。薄毛を改善したいという方はお気軽にご相談ください。オンライ診療にも対応しております。よろしくお願いします。
愛知県名古屋市中村区本陣通2-19
内科 内視鏡内科 糖尿病内科 整形外科
ヴェルヴァーレ本陣クリニック
院長 荻野仁志