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ブログ|「ヴェルヴァーレ本陣クリニック」名古屋市中村区本陣通にある内科

心筋梗塞などの急性冠症候群にならないためにも、なってしまってからも、大切なこと。

・急性冠症候群ってどんな病気?

心臓の血管である冠動脈がつまってしまい心臓の筋肉に血液が流れなくなってしまう病気のまとめです。100%完全につまっている心筋梗塞や99%つまっている不安定狭心症、およびそれが原因での突然死をまとめた概念です。めちゃくちゃ急を要する病気です。一刻も早く診断して治療しないと命に関わります。

・原因は?

動脈硬化が原因となるプラークと呼ばれるコレステロールの塊が原因で血の塊である血栓ができてしまい血管がつまってしまいます。ですからもともとは生活習慣病が原因ですよ。タバコ、高血圧、高コレステロール、糖尿病が4大リスクです。

・診断は?

まずは心電図です。来院して10分以内の評価が必要です。補助的に血液検査や心臓エコー検査をする場合もありますが急がねばなりません。そして心電図のSTというところが上がっているか、上がっていないかで対応が変わります。

どう違うのかというとSTが上がっている場合は、血管が完全に詰まっており心臓の筋肉が完全に血流不足になっている状態です。いわゆる心筋梗塞です。

それに対してSTが上がっていない場合はメインの血管は99%つまっているがかろうじて1%保たれている、あるいはメインの血管は100%詰まっているものの側副血行路と言われる他の細かい血管から血液が流れています。その結果心臓の筋肉にかろうじて血流が保たれているのです。

例えば、大阪から名古屋に行く時の新幹線がメインの冠動脈だとすると、ローカル線JRや近鉄が側副路になりますね。でも近鉄は安くて快適で私好きです。

・治療は?

STが上がっている場合は超緊急事態です!一刻も早く循環器内科医の治療が必要です。90分以内にカテーテル治療ができればベスト!12時間以内の治療が推奨されています。もちろん必要があれば外科手術もありえます。

STが上がっていない場合は少しだけ時間的にゆとりがありますので、年齢・基礎疾患・症状・検査結果からリスク評価をしてから、カテーテル治療や心臓バイパス術などの外科手術を行います。心臓バイパス術とは違う場所の血管を持ってきて心臓の血流の悪いところにつなぐ手術です。

・その他の治療は?

①酸素を投与するのは昔は全例行われていましたが、最近は酸素が足りている場合にはむしろ有害と言われており見直されています。

②有名なニトロの投与はもちろん有効です。冠動脈を広げる作用がありますからね。しかし血圧が下がっている場合やバイアグラなどEDの薬を飲んでいる方には投与不可です。血圧が下がりすぎてしまい、危険な状態になりかねません。

③痛み止めも有効です。痛くてのたうちまわるとそれだけ心筋消費エネルギーが増えてしまいますからね。モルヒネやレペタンなどが使われます。もちろんこれも呼吸状態や血圧をみながらの検討が必要です。

④血液サラサラの薬です。つい最近までアスピリンとクロピドグレルという2種類の血液サラサラの薬を飲むのがスタンダードでした。日本人は遺伝子的に20%弱の人が、このクロピドグレルが効きにくいことがわかっているので、最近はプラスグレル(商品名エフィエント)が主流になってきております。

・心臓リハビリ

昔は死亡率が高かった心筋梗塞も今はカテーテル治療が進歩してほとんどが救命されるようになりました。ただし心臓カテーテル治療が終わっても心臓の一部は壊死してしまいすぐに元通りというわけにはいきません。そこで骨折の後のリハビリのように心筋梗塞の後のリハビリである心臓リハビリが行われています。運動療法を続けることで側副路血管が増えて心臓への血液供給量が増えます。呼吸機能も改善しますよ。しかし保険適応は発症後わずか6ヶ月です。その後はもう打ち切りとなってしまいます。

・メディカルフィットネス

そこでメディカルフィットネスの出番です。普通のフィットネスとは違いクリニック併設ですので万が一の時でも安心です。日中は1階クリニックに私いますので、血圧や脈拍の管理や薬の相談、運動強度の相談なんでも気軽に聞いてくださいね。もちろんAEDや緊急ブザーも設置してあります。でも誰もいない夜中に運動するのはできれば避けてください。よろしくお願いします。

愛知県名古屋市中村区本陣通2-19

内科・内視鏡内科・糖尿病内科・整形外科

ヴェルヴァーレ本陣クリニック

院長 荻野仁志