抗がん剤治療中の発熱はすぐに診察を受けたほうがいい理由、発熱性好中球減少症。
- 2020年12月21日
- 感染症
・抗がん剤治療中の発熱は要注意
抗がん剤治療などの結果、バイ菌をやっつける免疫の主役である好中球が減ってしまい、しかも発熱している状態のことを発熱性好中球減少症と言います。例えば熱中症など通常なら発熱=感染ではないのですが、この好中球が減った状態では実に約半分が実際になんらかの感染を起こしていると言われています。しかも厄介なことに抗生剤が効かない菌や普段は水虫ぐらいしか心配しなくてもいいカビなどが原因となることもあります。
検査は?
血液検査で実際に好中球数を調べたり、原因菌の巣がないかCTなどで全身を調べます。血液を培養して原因菌がいないかも調べますね。
治療法は?
まずは重症かを判断します。症状・血圧・タバコ肺の有無・がんの種類・脱水の有無・管理の有無・年齢です。この結果に応じて抗生剤内服の通院治療から入院で抗生剤点滴集中治療まで分けられます。余談ですがタバコ肺があって60歳以上ならハイリスク扱いで原則入院治療ですよ。タバコは1日でも早くやめましょうね。また昔は好中球を増やす薬を使っていましたが今は推奨されていません。同様に免疫力を上げる献血から作られる薬も使われなくなっています。
愛知県名古屋市中村区本陣通2-19
内科・内視鏡内科・糖尿病内科・整形外科
ヴェルヴァーレ本陣クリニック
院長 荻野仁志