新型コロナウイルスのPCR検査・抗原検査・抗体検査はどう違うの?
- 2021年8月17日
新型コロナウイルス関連のニュースを見ていると、PCR検査、抗原検査、抗体検査などさまざまな検査の名前が出てきます。それぞれの検査の意味について疑問に持たれる方もいらっしゃるでしょう。今回は、PCR検査、抗原検査、抗体検査それぞれの検査の意味を解説していきます。
・PCR検査とは?
PCR検査とはポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)の略です。ウイルスの遺伝子を増幅させて検出する方法ですので一番確実です。鼻や咽頭をぬぐって細胞を採取して検査を行います。発症から9日以内であれば唾液からの検査も可能です。ウイルスが下気道にいることが多いため、痰がからむなどの症状が見られている方には痰を検体にしても検査が可能です。PCR検査は新型コロナウイルス感染症の確定診断や陰性証明に用いられております。この検査で陽性判定が出た場合には新型コロナウイルスに感染しているということになります。症状がある場合には新型コロナウイルスに感染しているかどうかを知るためのPCR検査は保険適用となっています。
・抗原検査とは?
抗原検査とはウイルスのタンパク質の一部である抗原を検知して診断に導く検査のことを言います。PCR検査とともに、新型コロナウイルス感染症の確定診断に用いることができます。そのため新型コロナウイルス感染症と思われる症状が発症した方で、発症2日目~9日目の間にこの検査で陽性となった場合には、その時点では新型コロナウイルス感染症であると言い切ることができます。新型コロナウイルスの抗原検査をするキットは15分ほどと非常に短時間で検査ができること、特別な検査機器を使わずに検査ができるというメリットがあります。ですが、診断をつけるためには一定のウイルス量が必要となるため、新型コロナウイルス感染症に無症状で感染している方がいるかどうかのスクリーン検査の用途では使うことができません。つまり「コロナにかかっていない」という陰性証明には適していません。
・抗体検査とは?
抗体検査とは過去に新型コロナウイルスに感染していたかどうかを調べる検査です。新型コロナウイルスに感染すると形成されるたんぱく質が体内にあるかどうかを調べることができます。抗体検査は新型コロナウイルスに感染後13日以降では、96.9%の陽性率ですが、感染後9~12日目の陽性率は約50%とまだ、期待されるほどの制度が出ていないことも現状です。抗体検査だけでは「コロナに現在かかっているのか」「昔にかかったことがあるのか」は判断できません。また、日本での検査は自費診療となっており、自身に抗体がついているかどうかの判定というよりも疫学調査のために用いられることが多くなっています。
・新型コロナウイルスの感染が疑われるときの検査の流れは?
当クリニックは外に広い屋根付きのピロティ空間がありますので、外で検査・結果説明・会計まで対応させて頂きます。抗原検査もPCR検査は鼻咽頭ぬぐい法といって、医師もしくは看護師が鼻や喉に綿棒を入れて細胞をぬぐい取って検査をします。抗原検査は約15分で結果が出ます。当院ではPCR検査は外注のため、結果が出るのは検査翌日の午前中となります。当院の抗原検査はPCR検査と完全一致率約90%と非常に高くなっております。特異度は100%ですので抗原検査でも「陽性(+)」と出れば「100%コロナにかかっている」と言えます。残念ながら感度は100%では無いため「陰性(-)」と出ても「100%コロナにかかっていない」とは言えません。「かかっていないことを証明する」ための陰性証明は自費でPCR検査を受けて頂く必要があります。
当院では祝日以外毎日診療しております。症状のある場合の抗原検査はもちろん、陰性証明希望のPCR検査も毎日実施可能ですのでお気軽にお問い合わせください。宜しくお願い致します。
愛知県名古屋市中村区本陣通2-19
内科 内視鏡内科 糖尿病内科 整形外科
ヴェルヴァーレ本陣クリニック
院長 荻野仁志