糖尿病の検査について
- 2020年3月27日
糖尿病
糖尿病とは、血糖値が高くなりすぎる病気のことです。血糖値が高いまま放置しておくと、様々な合併症を引き起こす可能性があります。糖尿病を早期に発見し、適切な治療を行うためには、定期的な検査が必要です。ここでは、糖尿病の検査について紹介します。
血糖値
血糖値検査は、血液中のブドウ糖の量を測定する検査です。空腹時血糖値、食後血糖値、ランダム血糖値などがあります。空腹時血糖値が126 mg/dL以上、食後2時間以内の血糖値が200 mg/dL以上、ランダム血糖値が200 mg/dL以上であれば、糖尿病の可能性があります。
HbA1c
HbA1cは、赤血球内のグルコースとヘモグロビンが結合した状態の割合を表す検査です。この割合は、直近3ヶ月間の血糖コントロール状態を反映します。HbA1cが6.5%以上であれば、糖尿病の可能性があります。
75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)
75gOGTTは、経口で75gのブドウ糖を摂取し、2時間後に血糖値を測定する検査です。この検査は、糖尿病だけでなく、糖尿病前期の状態(インスリン抵抗性やグルコース不耐症)も検出することができます。
GA(グリコアルブミン)
GAは、血液中のアルブミンとグルコースが結合した状態を測定する検査です。この検査は、HbA1cよりも短期間の血糖コントロール状態を反映し、糖尿病の合併症のリスクを評価するのに役立ちます。
尿糖
尿糖は、尿中に含まれるグルコースの量を測定する検査です。尿尿中に糖が出ることで、血糖値が高いことが示されます。糖尿病が疑われる場合 上記の続きをお願いします初期段階では尿糖が出ることがありますが、進行すると尿糖が出なくなることがあります。このため、尿糖の検査だけで糖尿病を診断することはできず、血液検査など他の検査と併せて行われることが一般的です。
また、尿糖が出る原因は糖尿病だけではありません。ストレスや薬の副作用なども尿糖の原因となることがあります。尿糖が検出された場合は、専門医による診察が必要となります。
尿糖の値は、陽性と陰性で判断されます。陽性とは尿中に糖が含まれている状態であり、陰性とは尿中に糖が含まれていない状態を示します。陽性である場合は、その糖の量に応じて+(プラス)の数がつけられます。+1から+4まであり、数値が大きいほど尿中の糖の量が多いことを示します。
尿糖の検査は、専用の紙を用いて自宅でも行うことができますが、正確な測定が必要な場合は専門医療機関での検査が推奨されます。また、尿糖の値が正常範囲内でも、他の検査で糖尿病が疑われる場合は、定期的な検査と専門医の診断が重要です。
腎臓の検査
糖尿病は、腎臓にも影響を与えることがあります。高血糖が長期間続くと、腎臓の細胞がダメージを受け、機能が低下することがあります。このため、糖尿病患者には腎臓の検査が必要です。
腎臓の検査には、血液検査や尿検査があります。血液検査では、クレアチニンや尿素窒素などの数値を測定します。これらの数値が高い場合、腎臓の機能が低下していることを示すことがあります。
また、尿検査では、タンパク質や微量の血液が尿中に出るかどうかを調べます。これらの物質が尿中に多く含まれる場合、腎臓にダメージがあることを示すことがあります。
神経や足の検査
糖尿病は、神経にも影響を与えることがあります。高血糖が長期間続くと、神経にダメージを与え、知覚障害や痛み、しびれなどの症状が現れることがあります。このため、糖尿病患者には神経の検査が必要です。
神経の検査には、振動覚検査や触覚検査、皮膚温度検査などがあります。また、足の検査も重要です。糖尿病患者は、足の血行不良や神経障害によって、傷が治りにくくなるため、定期的な検査が必要です。
眼底検査
糖尿病は、眼病の原因となることがあります。糖尿病性網膜症は、高血糖によって網膜にダメージが生じ、失明に至る可能性があります。そのため、糖尿病患者は、定期的に眼底検査を受けることが推奨されています。眼科医によって、網膜の異常を調べるために、特別な機器が使用されます。
まとめ
糖尿病の検査には、いくつかの種類があります。糖尿病は、早期発見・早期治療が重要です。定期的な検査を受けることで、健康な生活を送ることができます。ただし、糖尿病についての専門的な知識を持った医師による診断が必要です。糖尿病を疑った場合は、すぐに医師に相談することをおすすめします。
愛知県名古屋市中村区本陣通2丁目19番地
内科・内視鏡内科・糖尿病内科・整形外科
ヴェルヴァーレ本陣クリニック
院長 荻野仁志