BPT療法
- 2020年3月30日
BPT療法
BPT療法は、Basal-supported Prandial GLP-1RA Therapyの略で、基礎分泌を補う持続型インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬を1日1回同じタイミングで注射する併用療法です。この療法は、糖尿病治療の新しい選択肢として注目されており、経口血糖降下薬+基礎インスリンを組み合わせたBOT療法からステップアップすることが期待されています。
BPT療法では、基礎分泌を補う持続型インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬を同時に投与することで、空腹時の血糖値を下げ、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。また、GLP-1受容体作動薬には、体重減少作用があるため、BPT療法による血糖コントロールとともに体重管理も期待できます。
特徴
BPT療法には、以下のような特徴があります。
・基礎分泌を補う持続型インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬を同時に投与するため、血糖値の上昇を食前と食後の両方で抑えることができます。
・GLP-1受容体作動薬には、体重減少作用があります。
・1日1回の注射で簡単に投与できるため、治療の負担が軽減されます。
・BOT療法からステップアップすることで、血糖値のコントロールをさらに改善できます。
まとめ
まとめますとBPT療法はインスリン強化療法(毎食前にインスリン注射を実施する治療)よりも低血糖リスクが低くなりますし、注射回数が減って簡便な治療法です。ただし膵臓でのインスリン分泌能が保たれている必要があります。BPT療法で食後高血糖が改善されない場合にはインスリン強化療法へ移行します。ですから糖尿病も早期発見早期治療が非常に大切です。
BPT療法は、比較的新しい療法であるため、まだ多くの医師が熟知していないこともあります。しかし、BOT療法で血糖値のコントロールが不良な患者さんにとっては、BPT療法が有効な治療法となることが期待されています。治療方針については、専門医の指導を受けることが重要です。
愛知県名古屋市中村区本陣通2丁目19番地
内科・内視鏡内科・糖尿病内科・整形外科
ヴェルヴァーレ本陣クリニック
院長 荻野仁志