不眠症・睡眠時無呼吸症候群

睡眠時間は個人差があるため一概にこれだけ眠れば大丈夫ということはありません。一般的にはおおむね1日6時間ほど眠ることができれば十分と言われていますが、長い時間眠ることができない、逆に長く寝過ぎてしまう、眠りが浅く夜中に目が覚めるなど睡眠に対していろいろな悩みを抱えている方がいらっしゃいます。

睡眠障害と言っても種類は様々ですが、男性に関連が深いものだと

「不眠症」
「いびきによる睡眠障害 (睡眠時無呼吸症候群)」

それぞれの分類、および重症度に応じて適切な治療をすることが重要と考えられています。

睡眠障害とは、睡眠に対して何らかの問題がある方のことを意味します。日本では、約21%が不眠に悩んでおり、約15%が日中の眠気を自覚していると言われています。また、65歳以上では3人に1人が睡眠の問題で悩んでいると言われています。

睡眠障害は、放置していると日常生活や社会生活に支障をきたしてしまいます。さらに、睡眠障害を放置し続けるとうつ病などの精神疾患や生活習慣病などさまざまな病気を発症するリスクも高まりますので、できるだけ早く治療をすることが必要です。

睡眠障害となる理由も多岐にわたります。病気だけでなく加齢やストレスなどによって睡眠障害となることもあります。また、自分が睡眠障害であると気づくきっかけも様々です。自分で自覚したり、他人から指摘されて睡眠障害であるということが分かる例もあります。

ここでは、代表的な睡眠障害として、「不眠症」、「いびきによる睡眠障害」の2つについてご紹介します。

不眠症は睡眠障害の中でもよく聞く病名でしょう。しかしながら、ただ眠れない=不眠症ではありません。不眠症とは、睡眠の問題が1ヶ月以上続き、それによってさまざまな症状が引き起こされる病気のことを言います。ただ眠れないという状態は、イベントごとや悩み事など心理的な理由がある場合が多くあり、悩みが解決したりイベントが終わるとまたもとのように眠れるようになることも多いです。不眠症といわれるのは、長期間にわたり夜間の不眠が続き、日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下する状態です。不眠症に該当する睡眠問題は入眠障害・熟眠困難・中途覚醒が主なものです。

入眠障害とは、寝付くまでに時間がかかる状態のことをいいます。寝付くまで約2時間以上かかる状態です。不眠症の中で最も悩む方が多いのがこの入眠障害のパターンです。生活習慣により体内時計が乱れたり、寝る直前まで活動することにより興奮状態が持続してしまうことが原因として考えられます。

熟眠困難とは、睡眠時間を長くとっていてもぐっすり眠れた気がしないという状態です。ストレスなどが原因で、睡眠の質がよくなく、朝に疲れがとれていないことが原因です。

中途覚醒とは睡眠維持障害ともいわれ、眠りについた後に何度も目が覚める状態のことを言います。寝汗や不安、交感神経の昂りなどの様々な原因で、夜目が覚めていることが考えられます。高齢者に特に多く、目覚める回数には個人差があります。

次は、睡眠時無呼吸症候群という病気についてです。睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が一時的に止まってしまう状態です。詳細な定義としては、無呼吸が一晩の睡眠中に30回以上、または1時間に5回以上あった場合、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。無呼吸とは10秒間以上の一時的な呼吸停止を指します。

睡眠時無呼吸症候群により、睡眠中のいびきが激しくなったり、何度も起きてしまったりすることで睡眠の質が悪化します。その結果、すっきり起きられなくなったり、集中力が続かなくなったり、眠気に襲われたりといった症状が生じます。
しかし、睡眠時無呼吸症候群はそもそも自覚症状が出にくいという特徴があります。そのため適切な検査診断を受けることが大切です。合併する生活習慣病と相まって命に関わる病気のリスクとなるため、早期発見、早期治療が健康寿命を延ばす上でとても大事になってきます。

睡眠時無呼吸症候群は原因により二種類に分けられ、気道が物理的に閉鎖することによる閉塞性睡眠時無呼吸(OSAS)と、呼吸中枢の異常による中枢性睡眠時無呼吸(CSAS)の二種類があります。およそ90%が前者に該当します。前者の原因としては、睡眠時に舌が垂れ下がることで気道が閉鎖されたり、肥満が原因で喉や首回りに脂肪が蓄積することで気道が閉鎖されます。後者では、気道に空間はあるものの、脳から呼吸するよう指令が出ないために起こります。脳や心臓の病気をした人に多く見られます。
睡眠時無呼吸の検査方法は、自宅で検査できる簡易検査と、医療期間に宿泊した上で睡眠と呼吸の質をチェックする精密検査があります。当院では自宅で実施できるシステムを準備しております。まず、医師の診察を受けて頂き、医学的に必要があると判断された患者さんは、自宅で、「簡易ポリソムノグラフィー検査」というものを行います。自宅に腕時計型のデバイスが宅急便で送られ、それを付けて寝る、というシンプルなものです。寝ている間にどの程度呼吸が止まっているかどうかがわかります。保険適応ですので、自己負担額は検査料も込みで約5,000円弱になります。

この検査で、睡眠時無呼吸症候群であると疑われると判断された場合は、次のステップとして「完全型ポリソムノグラフィー検査」という検査を実施します。これは呼吸状態に加えて、脳波も一緒に検査を行います。この検査は、一泊入院しないと実施できない検査です。簡易検査でグレーゾーンの方など精密検査が必要な方には実施可能な医療機関を紹介させていただきます。

治療方法のメインとなるのはCPAPという治療法です。いわゆるマスクを付けて、息が止まらないように機械から空気を送りながら寝る治療法です。これは、保険をつかって治療できますので、1ヶ月8,000円程度の負担で治療を行うことが出来ます。

睡眠時無呼吸症候群はしらずしらずのうちに心臓に負担をかけてしまい突然死の原因にもなります。昼間の眠気や疲れが取れない方はぜひ簡単な検査を受けてください。よろしくおねがいします。


愛知県名古屋市中村区本陣通2-19
内科 内視鏡内科 糖尿病内科
ヴェルヴァーレ本陣クリニック
院長 荻野仁志